看護師は頭を使わなければいけない仕事ですが、同時に肉体労働なのではないかと思うほど体力も使う仕事です。病院内には様々な備品や医薬品などがあり、患者の治療に使用、または在庫確認のためなどに何度も出し入れをします。そのような作業は医師がやるわけにもいかず看護師が行うことが多いのですが重い荷物も多いのでこの作業が腰への負担をかけるのです。
もちろんこうした事務的な仕事以外にも、本業の看護のシーンでも腰には大きな負担がかかります。入院患者の身体拭きや体位変換、おむつ交換などは体重が数十キロもある大人を相手に行いますので、どうしても腰に負担がかかりますし疲労の原因にもなります。何しろ対象となる患者はベッドで寝ていることが多いので、看護活動は中腰で行わなければなりません。また高齢患者の方や、骨折や貧血などの理由で自力では歩けない方を車椅子に移動させることも多いのですが、これも腰に大きな負担をかけます。
若い人にはあまり理解を得られないかもしれませんが、腰痛の痛みや辛さは本当に厳しくバカになりません。その症状が酷ければ日常生活を営むことも難しくなるのです。また腰痛の原因は椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄の場合が多いのですが、これらの病気は治療も難しいのです。レントゲンなどを活用した画像診断で特定した部位と痛みの発生する部位が異なることも多く、治療効果を上げづらいためといわれています。
学生時代にスポーツをやっていたか否かの経験も大きくは関係ありません。また一度酷い腰痛にかかってしまうと数ヶ月治らず休職せざるを得ないということもありますので、生活設計の面から見ても気をつけた方が良いでしょう。
腰痛の特徴は一度かかってしまうと完治が難しく癖になりやすいことなので、予防には充分気をつかった方が良いでしょう。予防として一般的なのは腰バンドなどを装着することによる腰の補強です。無理な姿勢を続けることが腰痛の原因になりますが、腰バンドが姿勢を矯正し負荷を分散してくれますので腰痛の予防効果が高いのです。
また冷えも腰痛をはじめとした身体不調の原因となることが多ので、腰を中心に身体を冷やさないようにすると良いでしょう。あとは当然普段の姿勢が大切です。重い物を持つ時に中腰になって腰だけで持ち上げるような動作は絶対にしてはいけません。きちんと片膝をついて足の力で持ち上げるようにしましょう。また看護師は事務などの座り仕事も多いのですが、椅子への座り方も気をつけないと腰に負担をかける原因になります。自分に合ったクッションを探すと良いでしょう。